決算ノート
1433東証プラント・工場設備の解体・メンテナンス
増収増益

2027年1月期 中間期 決算サマリー

サマリー

プラント・工場設備の解体・メンテナンスを手がけるベステラ(連結)の2027年1月期中間期は、大型工事の施工が計画を上回り、売上高が前年同期比15.6%増の58億95百万円、営業利益が同154.1%増の5億74百万円、経常利益が同183.2%増の6億9百万円と大幅な増収増益となった。 一方、投資有価証券評価損5億円を特別損失に計上したこともあり、親会社株主に帰属する中間純利益は同55.1%減の99百万円。運転資金の確保に向けて60億円を長期借入したことで総資産は137億円に膨らみ、自己資本比率は64.8%から38.3%に低下した。 2026年4月に川崎市の解体工事現場で発生した設備落下事故(4名が亡くなった)の損益への影響は、通期予想に含まれていない。

売上高

5,895百万円

+15.6%

営業利益

574百万円

+154.1%

経常利益

609百万円

+183.2%

親会社株主に帰属する中間純利益

99百万円

△55.1%

完成工事総利益率

21.9%

+4.0pt(前年同期17.9%、当社試算)

当期受注工事高

6,198百万円

+48.1%

次期繰越工事高

8,851百万円

+37.3%

自己資本比率

38.3%

前期末64.8%

ハイライト

  • 完成工事高は5,859百万円(+18.7%)、完成工事総利益は1,282百万円(+45.4%)、完成工事総利益率は21.9%(前年同期17.9%、当社試算)。会社は、前期から進捗していた大型工事の施工が当中間期も計画を上回って推移したこと、良好な受注環境のもとで採算性を重視した選択受注を進めたことを理由に挙げる。販管費は710百万円(+1.6%)と抑えられ、営業利益は574百万円(+154.1%)、営業利益率は9.8%(前年同期4.4%、当社試算)。兼業事業(人材サービス)は、ヒロ・エンジニアリングの株式を前期に譲渡して連結から外したため、売上高36百万円(△78.2%)に縮小した
  • 営業外収益は受取配当金23百万円などで70百万円、営業外費用は支払利息17百万円(前年同期12百万円)、支払手数料5百万円(同42百万円)などで36百万円、経常利益は609百万円(+183.2%)。特別利益に投資有価証券売却益314百万円(前年同期121百万円)を計上した一方、特別損失に投資有価証券評価損500百万円(前年同期なし)を計上した。税金等調整前中間純利益は423百万円(+25.9%)だが、法人税等が324百万円と重く(負担率76.6%、前年同期34.3%、当社試算)、中間純利益は99百万円(△55.1%)、1株当たり中間純利益は11.18円(前年同期24.78円)。負担率が高い理由と、評価損の対象銘柄は短信に記載がなく、同日公表の別資料を参照する必要がある(【要確認】)
  • 受注は、当期受注工事高が6,198百万円(+48.1%)、前期繰越工事高が8,512百万円(+18.3%)、次期繰越工事高が8,851百万円(+37.3%)。受注高が完成工事高を上回り(約1.06倍、当社試算)、繰越が積み上がっている(受注工事高には有価物売却予想額を含む)。会社は事業環境について、産業構造の見直しによる余剰設備の解体需要が減退せず、GX2040ビジョン(電源構成で非化石電源を約60〜70%とする方向)によるエネルギー・電力設備の刷新で解体案件がさらに増えると見る一方、労務費の上昇、燃料・資材価格の高騰、慢性的な人材不足を懸念している
  • 財政状態は、総資産13,700百万円(前期末比+5,366百万円)、負債合計8,447百万円(同+5,511百万円)、純資産5,253百万円(同△144百万円)、自己資本比率38.3%(前期末64.8%)。工事の大型化に伴う運転資金の安定的な確保に備え、長期借入6,000百万円を実行し、長期借入金は118百万円から6,091百万円に増加、現金及び預金は1,434百万円から7,650百万円(+6,216百万円)に膨らんだ。借入金(1年内返済予定分52百万円を含む)は6,144百万円で、現金及び預金がこれを上回る(差引約1,506百万円のネットキャッシュ、当社試算)。受取手形・完成工事未収入金及び契約資産等は3,384百万円から4,232百万円(+849百万円)、未成工事支出金は83百万円から191百万円。投資有価証券は2,236百万円から677百万円へ1,560百万円減った(売却と評価損)。純資産は、中間純利益99百万円、配当222百万円、その他有価証券評価差額金△33百万円による。資本準備金1,283百万円をその他資本剰余金へ振り替えた(2026年5月15日)
  • 営業キャッシュ・フローは473百万円の支出(前年同期は1,195百万円の獲得)。税金等調整前中間純利益423百万円に、評価損500百万円、未成工事受入金+117百万円、賞与引当金+117百万円が加わる一方、売上債権の増加642百万円、未払金の減少324百万円、投資有価証券売却益△314百万円、法人税等の支払164百万円、未成工事支出金の増加109百万円などが響いた。投資キャッシュ・フローは投資有価証券の売却収入1,325百万円などで1,337百万円の収入、財務キャッシュ・フローは長期借入6,000百万円から返済427百万円・配当221百万円を差し引き5,352百万円の収入。営業CFの支出は、工事の進捗に伴う売上債権などの運転資金の増加が主因(前年同期は売上債権の減少で大幅な収入)。株主優待引当金は前期末83百万円からゼロになった(理由の記載なし)
  • 【要確認・追加情報】2026年4月7日、施工中の神奈川県川崎市川崎区扇島地先の設備解体工事現場で、アンローダークレーンの解体作業中に設備の一部が落下する事故が発生し、その後の捜索で行方不明者の身元が確認され、4名の方が亡くなられた。関係当局の調査は継続中で、会社は全面的に協力している。会社は、財政状態・経営成績に影響を及ぼす可能性はあるが、影響額は現時点で不明とし、通期予想にも含めていない。今後の影響(補償、工期、受注など)の見通しは短信に記載がない
  • 【要確認】通期予想の修正: 2026年9月9日公表の「特別損失の計上並びに第2四半期業績予想と実績値との差異及び通期連結業績予想の修正」により、短信本文では親会社株主に帰属する当期純利益を700百万円から530百万円に修正するとしている。修正後の通期予想は、売上高13,000百万円(+16.7%)、営業利益1,000百万円(+34.9%)、経常利益1,020百万円(+33.6%)、純利益530百万円(△27.7%)、1株当たり59.81円。中間期の進捗は、売上高45.3%、営業利益57.5%、経常利益59.7%、純利益18.7%。下期は営業利益約425百万円、経常利益約411百万円、純利益約431百万円(当社試算)で、純利益が経常利益を上回る計算になるが、下期の特別利益や税負担の想定は短信に記載がない。配当は中間15円、期末25円の年40円予想(前期40円)。「Leading the Future 中期経営計画 2030」(2027年1月期〜2031年1月期)を策定し、脱炭素解体工法とAI活用、プラント集積地域への拠点拡大、海外市場の探索を重点戦略とする

財政状態

総資産

13,700百万円

純資産

5,253百万円

自己資本比率

38.3%

現金及び預金

7,650百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年1月期 通期予想(2026年9月9日修正)13,000百万円(進捗45.3%)+16.7%1,000百万円(進捗57.5%)+34.9%1,020百万円(進捗59.7%)+33.6%530百万円(進捗18.7%、修正前700百万円)△27.7%

注目ポイント

営業段階は、非常に好調な中間期である。大型工事の進捗と選択受注で完成工事総利益率が17.9%から21.9%に上がり、営業利益は2.5倍となった。受注高も+48.1%、次期繰越工事高も+37.3%と積み上がっており、当面の工事量にも余裕がある。

一方、純利益は減益で、営業段階の好調とは切り離して見る必要がある。投資有価証券の売却益(314百万円)を上回る評価損(500百万円)を計上し、さらに法人税等の負担率が約77%と高く、中間純利益は99百万円にとどまった。評価損の対象銘柄と税負担の理由は短信にないため、同日公表の別資料の確認が要る。

貸借対照表は、60億円の長期借入で大きく変わった。運転資金の確保が目的で、現金がこれを上回るためネットキャッシュはプラスだが、自己資本比率は約26pt低下している。また、2026年4月の川崎市の事故(4名が亡くなった)の影響は、通期予想に含まれていない。当局の調査の進展次第で、補償や受注などに影響が及ぶ可能性があり、今後の開示を継続して追いたい。

出典:ベステラ株式会社「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月9日開示)

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