決算ノート
2375東証ギグ・エコノミー(フィールドサポート・コンタクトセンター、システム開発、シェアオフィス)
黒字転換

2026年10月期 第3四半期 決算サマリー

サマリー

ギグワーカー(単発・短期の働き手)を活用したフィールドサポートやコンタクトセンター、システム開発、シェアオフィス「THE HUB」などを展開するギグワークスの 2026年10月期第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.7%増の173億26百万円、営業利益が3億70百万円(前年同期は1億93百万円の損失)と黒字転換した。 販管費の削減とオンデマンドエコノミー事業の増益が寄与した一方、暗号資産評価損2億13百万円と法人税等の負担で、経常利益は1億60百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は9百万円(同94.7%減)にとどまった。 前年同期は子会社株式の売却益8億64百万円を計上しており、純利益は大きく減益。通期予想は据え置き。

売上高

17,326百万円

+3.7%

営業利益黒字転換

370百万円

前年同期は△193百万円の損失(黒字転換)

経常利益黒字転換

160百万円

前年同期は△284百万円の損失(黒字転換)

親会社株主に帰属する四半期純利益

9百万円

△94.7%

ハイライト

  • セグメント別(外部顧客への売上高ではなく、内部取引を含む「計」ベース)は、オンデマンドエコノミー事業が売上高9,049百万円(前年同期比+17.9%)・利益662百万円(同+56.2%)、Web3サービス事業が売上高348百万円(同+556.3%)・損失26百万円(前年同期は528百万円の損失)、システムソリューション事業が売上高4,156百万円(同+17.3%)・利益553百万円(同△9.0%)、シェアリングエコノミー事業が売上高4,316百万円(同△7.7%)・利益292百万円(同△48.9%)
  • 売上の伸びが小さい(+3.7%)のは、前年同期に日本直販株式会社(デジタルマーケティング事業、前年同期売上1,291百万円)を連結していたため。同社は2025年4月に全株式を譲渡し連結から外れ、セグメントの区分も廃止した。前年同期から同社の売上を除いた場合の増収率は約12.4%(当社試算)
  • 営業黒字転換の主因は販管費の圧縮。販管費は3,131百万円(前年同期3,891百万円、△760百万円)に減った一方、売上総利益は3,502百万円(同3,698百万円)で、売上総利益率は20.2%(同22.1%)に低下。前年同期はWeb3サービス事業の損失(528百万円)が重く、今期は損失が26百万円に縮小した。オンデマンドエコノミー事業ではWindows入替・GIGAスクール・タブレットPOS案件が伸び、コンタクトセンターは人とAIのハイブリッド運用で収益性が改善
  • 営業利益から経常利益への落ち込みが大きい。暗号資産評価損が213百万円(前年同期107百万円)に膨らんだため(保有する暗号資産を期末の市場価格で評価替え)。特別利益に違約金収入40百万円を計上。前年同期は関係会社株式売却益864百万円と債権放棄損300百万円を計上しており、その差で純利益が大きく変動している
  • 【要確認】税前四半期純利益197百万円に対し、法人税等が187百万円(負担率約95%)と重く、四半期純利益は10百万円、親会社株主帰属分は9百万円にとどまった。税負担が重い理由は短信に記載がない。今期の1株当たり四半期純利益は0.50円(前年同期9.35円)
  • 子会社の追加・M&Aとして、2025年12月にアイドル関連のイベント企画・グッズ販売を手がける株式会社spacetimesを子会社化(のれん増加257百万円、のれん残高246百万円)。2026年6月26日には非支配株主から同社株式を12.9%追加取得(議決権比率64.6%、取得価額64.6百万円)し、資本剰余金が64百万円減少した。シェアオフィス「THE HUB」は2026年7月に目黒へ出店し81拠点・会員28,200人、スペシャリティサロン「nex the salon」は全6店舗
  • 財政状態は、総資産7,933百万円(前期末比+121百万円)、純資産2,716百万円、自己資本比率33.1%(前期末34.6%)。売掛金等が2,855百万円(同+506百万円)に増え、現金及び預金は1,817百万円(同△692百万円)に減少。短期借入金は1,100百万円で横ばい、1年内返済予定の長期借入金は227百万円(同+86百万円)に増加
  • 通期予想(売上高23,000百万円+3.3%、営業利益400百万円、経常利益180百万円、純利益50百万円△81.6%)は2026年6月11日公表から修正なし。第3四半期累計の進捗は営業利益92.7%、経常利益88.9%、純利益19.7%、売上高75.3%(当社試算)。純利益は第4四半期に約40百万円が必要。配当は期末2円(前期同額)を予想。四半期財務諸表は任意の期中レビューを受けている。決算補足説明資料と決算説明会はなし

財政状態

総資産

7,933百万円

純資産

2,716百万円

自己資本比率

33.1%

現金及び預金

1,817百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2026年10月期 通期予想(修正なし)23,000百万円(進捗75.3%)+3.3%400百万円(進捗92.7%)180百万円(進捗88.9%)50百万円(進捗19.7%)△81.6%

注目ポイント

営業利益は前年同期の赤字から黒字に転換したが、その中身は「稼ぐ力の向上」と「費用の削減」が混在している。売上総利益率は約2ポイント低下しており、営業黒字の主因は販管費を760百万円減らせたこと(前年同期に重かったWeb3事業の損失縮小を含む)にある。オンデマンドエコノミー事業は売上・利益とも伸びて好調だが、シェアリングエコノミー事業は前年にあった不動産売買の収益がなくなり、利益が半減している。

純利益がほぼゼロになったのは、営業外の暗号資産評価損(213百万円)と、税前利益にほぼ匹敵する法人税等の負担が重なったためで、本業の伸びが最終利益に届いていない。前年同期の純利益185百万円は子会社株式売却益864百万円という一時的な利益に支えられていたため、前年比で見ると「94.7%減」という数字ほど悪化しているわけではないが、水準としての最終利益は極めて薄い。

通期予想は営業利益400百万円に対し累計で92.7%進捗している一方、純利益は50百万円のうち約2割にとどまっており、第4四半期に一定の利益が必要である。暗号資産の相場次第で評価損益が大きく動く構造にあり、次回の決算まで含めて最終利益のぶれに注意が必要である。

出典:ギグワークス株式会社「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月10日開示)

この要約は運営者が原資料をもとに作成したものです。内容の正確性を保証するものではなく、投資判断は必ず原資料をご確認のうえご自身の責任で行ってください。本サイトの内容は投資勧誘を目的としたものではありません。