決算ノート
2593東証リーフ(茶葉)・ドリンク(「お~いお茶」など)の製造販売、飲食(タリーズコーヒー)
増収増益

2027年4月期 第1四半期 決算サマリー

サマリー

「お~いお茶」やタリーズコーヒーを展開する伊藤園(連結)の2027年4月期第1四半期(2026年5〜7月)は、売上高が前年同期比3.3%増の1,351億80百万円、営業利益が22.0%増の102億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が14.8%増の65億59百万円と増収増益だった。 価格改定の浸透、販促費の抑制、前期に実施した自動販売機事業の減損に伴う減価償却費の軽減が利益を押し上げた。通期予想は据え置きで、営業利益は200億円(△7.8%)と減益を見込み、第1四半期の進捗は51.0%に達している。

売上高

135,180百万円

+3.3%

営業利益

10,200百万円

+22.0%

経常利益

10,122百万円

+13.4%

親会社株主に帰属する四半期純利益

6,559百万円

+14.8%

リーフ・ドリンク関連事業の営業利益

8,993百万円

+23.5%

飲食関連事業の営業利益

991百万円

+9.3%

売上高営業利益率

7.5%

前年同期6.4%

自己資本比率

48.7%

前期末51.4%

ハイライト

  • 売上高は1,351億80百万円(+3.3%)。売上総利益は502億64百万円(+3.5%)で、売上総利益率は37.2%(前年同期37.1%)とほぼ横ばい、販管費は400億63百万円(前年同期401億86百万円、△0.3%)。営業利益の増加額約18億40百万円は、売上総利益の増加(約17億17百万円)と販管費の減少(約1億23百万円)による(当社試算)。営業利益率は7.5%(同6.4%)。減価償却費は16億00百万円(同22億21百万円、△28.0%)で、営業利益の増加額の約3分の1に相当する(当社試算)
  • リーフ・ドリンク関連事業は売上高1,206億29百万円(+2.7%)、営業利益89億93百万円(+23.5%)で、営業利益率は7.5%(前年同期6.2%、当社試算)。会社は、国内外で実施した価格改定の浸透効果で売上が堅調に推移し、継続する物価高の影響を受けながらも、販促費用の抑制と、前連結会計年度に実施した自動販売機事業の減損処理に伴う減価償却費の軽減効果で利益が大幅に改善したと説明する。大谷翔平選手を起用したマーケティング施策を続け、「お~いお茶」のグローバル展開を進める。海外は現在52の国・地域で販売しており、2029年4月期までに60以上を目指す。2026年5月に自動販売機関連事業を統合した株式会社伊藤園ネオスを設立し、営業エリアと配送網の最適化を進める
  • 飲食関連事業は売上高124億05百万円(+8.4%)、営業利益9億91百万円(+9.3%)。タリーズコーヒーで7月に海外アーティストとのコラボレーションを実施して客数・売上が大きく伸び、地域らしさを取り入れた新店(近鉄布施駅店、Express目白駅前店など)を出店した。2026年7月末の総店舗数は855店舗(前期末比+5店舗)。その他は売上高21億46百万円(+9.5%)、営業利益2億20百万円(+23.1%)
  • 営業外収益は4億30百万円(前年同期8億32百万円)で、前年同期に3億77百万円あった為替差益が28百万円に減った。営業外費用は5億08百万円(同2億68百万円)で、支払利息が2億90百万円(同1億74百万円、+66.7%)、リース解約損が1億23百万円(同43百万円)。経常利益は101億22百万円(+13.4%)と、営業利益(+22.0%)より伸びが小さい。特別利益は固定資産売却益1億50百万円、特別損失は固定資産売却損47百万円など59百万円。法人税等は35億19百万円(負担率34.5%、前年同期34.5%、当社試算)、非支配株主に帰属する四半期純利益は1億33百万円。親会社株主に帰属する四半期純利益は65億59百万円(+14.8%)、1株当たり四半期純利益は56.93円(同49.60円)、四半期包括利益は72億19百万円(+5.7%)
  • 資産面は、総資産3,701億89百万円(前期末比+275億21百万円)で、売掛金が+138億80百万円(839億01百万円)、原材料及び貯蔵品が+138億21百万円(310億15百万円)、商品及び製品が+62億32百万円(631億98百万円)と増え、現金及び預金が△116億20百万円(635億73百万円)減った。有形固定資産のその他が+16億92百万円、投資その他の資産のその他が+16億64百万円。売掛金・商品・原材料の増加は合計約339億円(当社試算)。原材料の増加の背景(原材料調達、価格の動向など)は短信に記載がない(【要確認】)
  • 負債は1,882億96百万円(前期末比+235億80百万円)で、買掛金が+126億01百万円(487億72百万円)、短期借入金が+83億16百万円(143億14百万円)、未払費用が+15億08百万円、その他の流動負債が+29億09百万円、賞与引当金が△21億12百万円。借入金・社債の合計は約702億円(前期末約620億円、+約82億円、当社試算)で、現金及び預金(636億円)を上回り、ネットで約67億円の負債超過(前期末は約132億円の現金超過、リース債務を除く、当社試算)。純資産は1,818億92百万円(同+39億41百万円)で、利益剰余金が+65億59百万円、配当△29億58百万円。自己資本比率は48.7%(前期末51.4%)
  • 【要確認】通期予想は2026年6月1日公表から変更なし(売上高500,000百万円+0.4%、営業利益20,000百万円△7.8%、経常利益20,500百万円△11.9%、親会社株主に帰属する当期純利益11,430百万円+229.7%、普通株1株当たり95.44円)。第1四半期の進捗は売上高27.0%、営業利益51.0%、経常利益49.4%、純利益57.4%で、残り3四半期の営業利益は約98億円と、前期の同期間(予想の増減率から逆算して約133億円)を約26%下回る計算(当社試算)。純利益が+229.7%となるのは前期に自動販売機事業の減損処理があったためとみられるが、金額は短信に記載がない。配当(普通株)は中間26円・期末26円の年52円予想(前期は24円+24円の年48円)で、配当性向は約54.5%(当社試算)。第1種優先株式は年66円(前期60円)

財政状態

総資産

370,189百万円

純資産

181,892百万円

自己資本比率

48.7%

現金及び預金

63,573百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年4月期 通期予想(変更なし)500,000百万円(進捗27.0%)+0.4%20,000百万円(進捗51.0%)△7.8%20,500百万円(進捗49.4%)△11.9%11,430百万円(進捗57.4%)+229.7%

注目ポイント

営業利益が+22.0%と大きく伸びたが、売上の伸びは+3.3%で、増益の中身は粗利益の増加(約17億円)に加え、販管費の微減と、前期の減損に伴う減価償却費の減少(約6億円)である。会社は価格改定の浸透、販促費の抑制、減価償却費の軽減を挙げており、ボリュームの拡大よりも収益性の改善による増益といえる。

貸借対照表では、売掛金・原材料・商品が約339億円増える一方、買掛金の増加(約126億円)と短期借入金の増加(約83億円)で賄われ、現金が約116億円減った。ネットの現金は約132億円のプラスから約67億円のマイナスに転じた(当社試算)。原材料が約138億円増えた背景は短信にないため、調達環境や在庫の積み増しの理由を確認したい。

通期予想は据え置きで、営業利益の進捗はすでに51.0%に達している。予想どおりなら残り3四半期は前期同期間より約26%少ない営業利益となる計算で、予想の保守性か、費用や原材料価格の負担増を織り込んでいるのか、短信からは分からない。配当は普通株で年52円予想(前期48円)と増配の見通し。

出典:株式会社伊藤園「2027年4月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月1日開示)

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