決算ノート
4446東証スタンダードマンガ配信プラットフォーム(国内・海外)・IPコンテンツ制作

2026年7月期 決算サマリー

サマリー

国内外でマンガ配信サービスを展開するLink-Uグループ(IFRS)の2026年7月期は、マンガサービス事業・制作事業がともに 四半期ベースで過去最高収益を更新する好調が続いたが、「選択と集中」で縮小するマーケティング事業の連結子会社Romanzに 係るのれん745百万円を含む減損損失767百万円を計上し、営業損益は前期の327百万円の黒字から382百万円の損失に転落した。 減損等を除いた実力ベースの調整後営業利益は403百万円(前期比+42.8%)と好調。同日、世界的アニメブランド Crunchyrollの日本法人との資本業務提携と第三者割当増資(調達額約9.1億円)を発表し、新たな中期経営計画 「中期経営計画2030」も公表した。

売上収益

4,800百万円

△0.7%

営業損失赤字

△382百万円

前期は営業利益327百万円の黒字

税引前損失赤字

△380百万円

前期は税引前利益309百万円の黒字

親会社の所有者に帰属する当期損失赤字

△554百万円

前期は当期利益148百万円の黒字

調整後営業利益

403百万円

+42.8%

ハイライト

  • 赤字転落の直接の原因は減損損失767百万円(連結子会社Romanzに係るのれん745百万円を含む)。マーケティング事業を「選択と集中」の一環で縮小した結果で、一時的な要因。減損損失等を除いた調整後営業利益は403百万円(前期282百万円、+42.8%)と本業の収益力は向上している
  • 【説明資料】主力のマンガサービス事業は、国内・海外とも好調で第4四半期の売上739百万円は四半期として過去最高を更新継続。制作(コンテンツ)事業も第4四半期401百万円で過去最高。一方、マーケティング事業は縮小方針で第4四半期は111百万円(ピーク時の2025年7月期2Q362百万円から大幅減)に落ち込んだ
  • 【説明資料】調整後営業利益の増加要因は、売上連動費用の効率化+275百万円、人件費・業務委託費の効率化+147百万円が、広告宣伝費の増加△232百万円(海外展開の先行投資)や売上の微減△35百万円を上回ったこと。ここに減損損失等786百万円(当社試算、報告ベースの営業損益と概ね対応)を差し引くと、報告ベースの営業損失に至る
  • 【重要な後発事象】決算発表と同日の2026年9月14日、クランチロール株式会社(親会社は世界最大級のアニメブランドCrunchyroll, LLC、有料会員2,100万人超)との資本業務提携及び第三者割当による新株式発行を決議。発行新株式数1,071,900株、発行価格856円、調達資金額(差引手取概算額)912百万円。資金使途は海外マンガ配信プラットフォーム事業の拡大、海外デジタルマンガ配信の体制強化、海外IP関連コンテンツ・サービスの拡大
  • 【説明資料】マンガサービス事業における海外売上比率は17.5%(2025年7月期1Qは7.9%)まで上昇。2025年10月の「Crunchyroll Manga」北米リリースが牽引役。集英社創業100周年記念の新グローバルマンガサービス「MANGA MILLION」(100以上の言語で集英社作品約400作品・計100万ページを全世界配信)の開発も担当。経済産業省「IP360補助金」(流通プラットフォーム拡大支援区分)にも採択
  • 【説明資料・中期経営計画2030】2027年7月期を初年度とする新中期経営計画を公表。2030年7月期に売上収益80億円・営業利益16億円・営業利益率20%超を目標(2026年7月期実績は売上収益48億円・調整後営業利益4億円・調整後営業利益率8.4%)。「IP展開エリアの拡大」(海外)と「IP領域(幅)の拡大」(新領域)を主要戦略の柱とする
  • 自己資本比率は47.1%(前期45.3%)に改善した一方、現金及び現金同等物は953百万円(前期1,654百万円、△701百万円)に減少。持分法投資の取得(アトラクル有限責任事業組合等)に320百万円、有形固定資産取得に316百万円を投資し、投資活動によるキャッシュ・フローは954百万円の支出。長期借入金の返済925百万円を実施

財政状態

資産合計

4,865百万円

資本合計(純資産)

2,289百万円

親会社所有者帰属持分比率

47.1%

現金及び現金同等物

953百万円

次期業績予想

決算期売上収益営業利益税引前利益親会社の所有者に帰属する当期利益
2027年7月期 通期予想(レンジ)4,000〜4,200百万円△16.7〜△12.5%400〜480百万円黒字転換見込み(前期は営業損失382百万円)370〜450百万円黒字転換見込み(前期は税引前損失380百万円)241〜293百万円黒字転換見込み(前期は当期損失554百万円)

注目ポイント

見出しの赤字転落だけを見ると悪い決算に映るが、内実は逆で、本業のマンガサービス・制作事業は四半期ごとに過去最高を更新し続けている。赤字の主因は、縮小方針のマーケティング事業(Romanz)ののれん減損という一時的な会計処理であり、それを除いた調整後営業利益は前期比+42.8%と好調である。減損に至った経緯自体は「選択と集中」という経営判断の結果であり、今後この事業からの損失計上リスクは概ね一巡したとみられる。

もう一つの焦点は、決算発表と同日に公表されたクランチロールとの資本業務提携と第三者割当増資である。世界的なアニメブランドとの提携は海外マンガ配信の追い風になる一方、約9.1億円の増資は発行済株式数(14,175,300株)の約7.6%にあたる希薄化を伴う。調達資金の具体的な投下先(新規サービスや地域)や、提携によるCrunchyroll Manga以外への波及効果は、今後の開示で確認したい。

来期予想はレンジでの開示にとどまり、黒字転換を見込むものの、売上収益はマーケティング事業縮小の影響で前期比マイナスの計画である。継続事業ベース(Brightech等の除外影響を除く)では前期比+7.3%〜+12.7%の増収としており、実質的な成長は続く見通し。中期経営計画2030でも2030年7月期に売上収益80億円・営業利益率20%超という強気な目標を掲げており、海外展開のスピードと収益化のタイミングが株価を左右する焦点となる。

出典:Link-Uグループ株式会社「2026年7月期 決算短信〔IFRS〕(連結)/同 決算説明資料 FY2026 4Q・中期経営計画2030(FY2027-FY2030)」(2026年9月14日開示)

この要約は運営者が原資料をもとに作成したものです。内容の正確性を保証するものではなく、投資判断は必ず原資料をご確認のうえご自身の責任で行ってください。本サイトの内容は投資勧誘を目的としたものではありません。