決算ノート
4750東証足場施工サービス(ビケ足場)、足場資材・製商品の販売、海外(シンガポール)でのプラント関連工事・清掃

2027年4月期 第1四半期 決算サマリー

サマリー

足場施工サービスを主力とするダイサン(連結)の2027年4月期第1四半期(2026年4月21日〜7月20日)は、売上高が前年同期比5.8%増の27億54百万円だったが、施工力増強に伴う人件費の先行などで売上総利益が15.4%減り、営業損失90百万円(前年同期は42百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失94百万円(同104百万円の利益)に転落した。 シンガポールのPenguin Engineering & Construction社と福島県の代和産業の2社を取得して連結に加え、のれんが5億10百万円計上された。通期予想は据え置き。

売上高

2,754百万円

+5.8%

営業損益赤字

△90百万円

前年同期は42百万円の利益

経常損益赤字

△94百万円

前年同期は69百万円の利益

親会社株主に帰属する四半期純損益赤字

△94百万円

前年同期は104百万円の利益

施工サービス事業の売上高

1,905百万円

+6.4%

海外事業の売上高

609百万円

+18.7%

売上総利益率

23.4%

前年同期29.2%

自己資本比率

53.7%

前期末56.2%

ハイライト

  • 売上高は27億54百万円(+5.8%)だが、売上原価が21億10百万円(+14.6%)に増え、売上総利益は6億43百万円(△15.4%)、売上総利益率は23.4%(前年同期29.2%)に低下した。販管費は7億33百万円(+2.1%)で、営業損失は90百万円(前年同期は営業利益42百万円)。経常損失は94百万円(同69百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は94百万円(同104百万円の利益)、1株当たり四半期純損失は14.80円(同16.30円の利益)。なお、報告セグメントの利益は営業利益ではなく売上総利益ベース
  • 施工サービス事業は売上高19億05百万円(+6.4%)、売上総利益4億78百万円(△4.5%)で、粗利率は25.1%(前年同期28.0%、当社試算)。会社は、中層大型建築物向け工事の受注伸長と既存顧客のシェア拡大で増収だったが、今後の受注拡大を見据えた施工力増強に伴う人件費が先行して利益が減ったと説明する。主要取引先である大手ハウスメーカーの住宅受注は全体で堅調で、業界では中東情勢による資材の供給不足や工期遅延が一部で見られた。新設住宅着工戸数は前年同期比で持家+21.6%、貸家+24.3%、分譲+17.1%(建築基準法改正による前年の落ち込みの反動)
  • 製商品販売事業は売上高2億23百万円(△21.2%)、売上総利益58百万円(△30.0%)で、粗利率は25.9%(前年同期29.2%)。会社は、資材価格の高止まりや施工人員不足を背景に購買意欲の低下が続き、足場資材の購入を抑えてレンタルにシフトする動きが強まったと説明する。海外事業は売上高6億09百万円(+18.7%)、売上総利益93百万円(△42.9%)で、粗利率は15.3%(同31.9%)と大きく低下した。会社は、中東情勢による原材料供給の混乱で顧客のプラント稼働計画と修繕時期が変わり工事案件が延期されたが、連結範囲の変更と為替で増収と説明。費用面では、清掃業の人件費の計上区分を販管費から売上原価へ変更したこと、現地政府の政策変更による外国人雇用税の増加が利益を圧迫した。区分変更により、売上総利益の前年比較には販管費との振替分が含まれる(金額は短信に記載がない)
  • 営業外収益は17百万円(前年同期53百万円、前年同期は受取保険金28百万円)で、助成金収入が14百万円。営業外費用は22百万円(同26百万円)で、支払利息が10百万円、為替差損が8百万円。経常損失は94百万円。特別利益は固定資産売却益6百万円(前年同期59百万円)。税金等調整前四半期純損失は89百万円(同利益129百万円)で、法人税等が6百万円(同24百万円)かかり、純損失は94百万円。四半期包括損失は68百万円(為替換算調整勘定+26百万円)
  • 取得したのは2社。①シンガポールのPenguin Engineering & Construction Pte. Ltd.(大手石油化学プラントの配管設置などのエンジニアリング事業、世界石油メジャーとの取引が長い)の全株式を2026年4月21日に現金249百万円で取得。のれん260百万円(5年均等償却)、取得関連費用13百万円で、2026年5月1日〜6月30日の業績を連結。②福島県で足場施工サービスを手がける株式会社代和産業(ビケ足場)の全株式を2026年6月10日に現金525百万円で取得。のれん257百万円(10年均等償却)、取得関連費用34百万円で、当四半期は貸借対照表のみ連結(損益への寄与はなし)。のれんは合計5億10百万円(前期末なし)で、のれん償却額は8.6百万円。のれんは暫定的な金額で、取得原価の配分は完了していない
  • 財政状態は、総資産103億98百万円(前期末比+2億17百万円)、純資産55億87百万円(同△1億39百万円)、自己資本比率53.7%(前期末56.2%)。現金及び預金が△4億52百万円(22億36百万円)、のれんが+5億10百万円、受取手形・売掛金及び契約資産が+1億37百万円(21億11百万円)。負債は48億10百万円(同+3億56百万円)で、短期借入金が+2億45百万円(19億88百万円)、支払手形及び買掛金が+1億41百万円、賞与引当金が△1億26百万円。借入金は約22億74百万円(短期19億88百万円、長期2億86百万円)で、現金及び預金(22億36百万円)を約38百万円上回り、前期末の約6億22百万円の現金超過から逆転した(当社試算)。純資産は利益剰余金が△1億65百万円(純損失95百万円、期末配当約71百万円、当社試算)。減価償却費は78百万円(前年同期71百万円)
  • 【要確認】通期予想は2026年6月2日公表から変更なし(売上高12,000百万円+7.7%、営業利益280百万円+4.1%、経常利益220百万円△24.4%、親会社株主に帰属する当期純利益130百万円△50.4%、1株当たり20.27円)。第1四半期は営業損失90百万円のため、残り3四半期で営業利益約3億70百万円が必要で、前期の同期間(予想の増減率から逆算して約2億27百万円)の約1.6倍の計算(当社試算)。売上高は残り3四半期で約92億円(前期同期間約85億円、+8%程度)。新規2社の通期寄与(特に代和産業は当四半期の損益に含まれず)を予想に織り込んでいるかは短信に記載がない。配当は中間11円・期末11円の年22円予想(前期と同額)

財政状態

総資産

10,398百万円

純資産

5,587百万円

自己資本比率

53.7%

現金及び預金

2,236百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年4月期 通期予想(変更なし)12,000百万円(進捗23.0%)+7.7%280百万円+4.1%220百万円△24.4%130百万円△50.4%

注目ポイント

増収なのに赤字に転落した第1四半期である。売上は+5.8%でも、売上原価が+14.6%に増え、売上総利益が約1億18百万円減った。施工サービスでは施工力増強に伴う人件費が先行し、海外では工事案件の延期や外国人雇用税の増加で粗利率が半減した(31.9%→15.3%)。新規取得した2社は、シンガポールの1社が2か月分だけ連結に入り、福島の1社は損益にまだ入っていないため、収益貢献はこれからである。

バランスシートでは、M&Aの対価(約7.7億円)と現金の減少で、現金が借入金を約38百万円下回る状態になった。のれんは5億10百万円で純資産の約9%を占め、暫定金額のため確定後に変わる可能性がある。海外事業の粗利率低下が一時的か、費用の区分変更(人件費を販管費から売上原価へ)の影響が大きいのかは、短信に金額がなく判断できない。

通期予想は据え置かれ、残り3四半期で約3億70百万円の営業利益が必要になる。前期の同期間の約1.6倍で、施工サービスの人員増強が受注に結びつくか、海外の工事案件が再開するか、新規2社の寄与がどこまで見込まれているかを、次の四半期決算で確認したい。

出典:株式会社ダイサン「2027年4月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月1日開示)

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