決算ノート
5031東証ライブ配信プラットフォーム「ツイキャス」

2027年1月期 中間期 決算サマリー

サマリー

ライブ配信サービス「ツイキャス」を運営するモイ(非連結)の2027年1月期中間期は、課金ユーザー数の減少でポイント販売売上が減り、売上高が前年同期比3.8%減の31億81百万円、 営業利益が同16.5%減の1億22百万円となった。経常利益は同0.1%増の1億81百万円で横ばい、中間純利益は前年同期に音楽著作権管理団体との協議に係る特別損失75百万円を計上した反動で同76.6%増の1億21百万円。 2026年6月にSBIホールディングスへの第三者割当増資で約9億円を調達し、自己資本比率は46.4%から59.7%に改善した。通期予想(営業利益4億9百万円)は据え置き。

売上高

3,181百万円

△3.8%

営業利益

122百万円

△16.5%

経常利益

181百万円

+0.1%

中間純利益

121百万円

+76.6%

月間平均ポイントARPPU

8,052円

+12.2%

ハイライト

  • 重要指標は明暗が分かれた。月間平均ポイントARPPU(課金ユーザー1人当たりの平均課金額)は8,052円(前年同期比+12.2%)と上昇した一方、月間平均ポイントPU(課金ユーザー数)は57千人(同△15.7%)に減少。会社は、国内ライブ配信市場の競争環境の変化の影響を強く受けたと説明。ポイント販売売上は2,762百万円(同△5.5%)
  • 実質売上総利益(売上高合計から配信者への報酬とApple・Google等の決済手数料を差し引いた金額)は988百万円(同+8.3%)と増加。ポイント販売におけるアプリ決済比率の低下に伴う収益構造の変化(決済手数料の低下)と、「メンバーシップ」の成長が寄与した。決済手数料に当たる支払手数料は696百万円(前年同期899百万円、△22.6%)に減少
  • 売上総利益は1,543百万円(前年同期1,689百万円)で売上総利益率は48.5%(同51.1%)、販管費は1,421百万円(同1,543百万円、△7.9%)。広告宣伝費は91百万円(同45百万円)と倍増した一方、支払手数料が減り、営業利益は122百万円(同146百万円)。営業外収益に受取手数料53百万円(同32百万円)があり、経常利益は181百万円で前年同期並み
  • 中間純利益が大幅に増えたのは、前年同期に特別損失75百万円(音楽著作権管理団体と「ツイキャス」での楽曲利用に伴う収入報告の内容を巡る協議で追加発生しうる費用)を計上していたため。当期は特別損益なし。1株当たり中間純利益は8.06円(前年同期4.93円)。この協議は前期に継続中と説明されており、当期の短信に進捗の記載はない
  • サービス面では、美顔フィルター機能の公開、ユーザー参加型キャンペーン、UUUM株式会社との取り組み、「メンバーシップ」へのPayPay決済対応やXフォロー管理機能の追加、学生配信者向け「メンバーシップ U」の上位2プランの解放(18歳以上)などを実施
  • 【資金調達】2026年6月30日付でSBIホールディングスを引受先とする第三者割当増資の払込みを受け、資本金・資本準備金がそれぞれ460,762千円増加(株式の発行による収入921,525千円)。発行済株式数は13,966,000株から17,317,000株(+24.0%)に増加し、1株当たりの持分は希薄化した。総資産は5,050百万円(前期末比+801百万円)、純資産は3,016百万円、自己資本比率は59.7%(前期末46.4%)
  • キャッシュ・フローは、営業CFが40百万円の支出(前年同期は2百万円の収入)で、未払金の減少260百万円や仕入債務の減少94百万円が響いた。投資CFは定期預金の預入1,500百万円などで1,540百万円の支出。現金及び現金同等物は2,325百万円(前期末比△659百万円)だが、定期預金1,500百万円を含む現金及び預金は3,825百万円(同+842百万円)
  • 【要確認】通期予想(売上高6,829百万円+2.1%、営業利益409百万円+20.5%、経常利益461百万円+18.5%、当期純利益は記載なし)は2026年3月11日公表から修正なし。中間期の進捗は売上高46.6%、営業利益29.9%、経常利益39.3%で、下期に営業利益約287百万円(上期の約2.4倍、当社試算)が必要。課金ユーザー数が減少するなかで、下期の利益回復の根拠は短信に明記がない

財政状態

総資産

5,050百万円

純資産

3,016百万円

自己資本比率

59.7%

現金及び預金

3,825百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益
2027年1月期 通期予想(修正なし)6,829百万円(進捗46.6%)+2.1%409百万円(進捗29.9%)+20.5%461百万円(進捗39.3%)+18.5%

注目ポイント

課金ユーザー数が前年同期比で約16%減りながらも、1人当たりの課金額が12%上がり、決済手数料の低下で実質売上総利益が8%増えたことで、営業利益の落ち込みを比較的小さく抑えた決算である。ただし、売上高は減少し、営業利益も減っており、利用者基盤(課金ユーザー数)の縮小という根本的な課題は解決していない。会社自身もその要因を国内ライブ配信市場の競争環境の変化としている。

純利益の大幅増は前年の特別損失の反動で、実質的な収益改善ではない。一方、SBIホールディングスからの約9億円の資金調達で財務は改善したが、発行済株式数は約24%増え、1株当たりの価値は薄まった。調達資金の使途(成長投資か、事業基盤の強化か)は短信に明記がなく、今後の開示で確認したい。

通期予想は営業利益+20.5%と回復を見込み、下期に上期の約2.4倍の営業利益が必要になる。課金ユーザー数の下げ止まりと、広告宣伝費(前年同期の約2倍)の効果が、達成可能性の鍵を握る。

出典:モイ株式会社「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2026年9月10日開示)

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