2027年4月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLOR(非連結)の2027年4月期第1四半期(2026年5〜7月)は、売上高が前年同期比5.4%増の166億20百万円と伸びたものの、売上原価が17.7%増えて売上総利益は6.6%減となり、営業利益は同8.8%減の63億90百万円、四半期純利益は同10.6%減の43億65百万円と増収減益となった。 営業利益率は44.4%から38.4%に低下。所属VTuberは181人(前年同期比+16人)、ANYCOLOR IDは210.6万ID(同+19.3%)に増えた。 通期予想はレンジ形式のまま修正なしで、第1四半期の営業利益は通期予想レンジの約3分の1にあたる。
売上高
16,620百万円
+5.4%営業利益
6,390百万円
△8.8%経常利益
6,384百万円
△8.8%四半期純利益
4,365百万円
△10.6%売上総利益率
45.0%
△5.8pt(前年同期50.7%、当社試算)売上高営業利益率
38.4%
△6.0pt(前年同期44.4%、当社試算)所属VTuber数(にじさんじ・NIJISANJI EN)
181人
前年同期比+16人ANYCOLOR ID
2,106千ID
+19.3%ハイライト
- 売上高は16,620百万円(前年同期比+5.4%)。一方、売上原価は9,145百万円(前年同期7,767百万円、+17.7%)と売上の伸びを大きく上回って増え、売上総利益は7,474百万円(同8,000百万円、△6.6%)、売上総利益率は45.0%(同50.7%、当社試算)と5.8pt低下した。販管費は1,083百万円(同997百万円、+8.6%)で、営業利益は6,390百万円(同7,003百万円、△8.8%)、営業利益率は38.4%(同44.4%)。短信は、売上原価が増えた理由を説明していない(【要確認】)。なお前年同期は、売上高+112.1%、営業利益+157.6%と急拡大した期で、比較の基準が高い
- 事業は、ライブストリーミング、コマース、イベント、プロモーションの4領域で構成されるが、領域別の売上高は開示されていない。指標は、所属VTuber数が「にじさんじ」「NIJISANJI EN」合計で181人(前年同期比+16人)、ANYCOLOR IDが2,106千ID(同+19.3%)。IDの増加率に比べ、売上の伸びは+5.4%にとどまる。単一セグメントのため、セグメント別の記載はない
- 営業外は、為替差損1百万円、支払手数料5百万円などで費用6百万円、経常利益は6,384百万円(△8.8%)。法人税等は2,019百万円(負担率31.6%、前年同期30.2%、当社試算。うち法人税等調整額199百万円、前年同期45百万円)で、四半期純利益は4,365百万円(△10.6%)。1株当たり四半期純利益は72.81円(前年同期79.97円、△9.0%)、潜在株式調整後は72.58円。自己株式の保有増加で期中平均株式数が59,950,919株(前年同期61,080,884株)に減ったため、EPSの減少率は純利益の減少率より小さい
- 財政状態は、総資産36,873百万円(前期末比+370百万円)、純資産28,930百万円(同+1,966百万円)、自己資本比率78.5%(前期末73.9%)。現金及び預金は22,050百万円から19,364百万円へ2,685百万円減った一方、売掛金は5,301百万円から8,243百万円(+2,942百万円)、買掛金は1,946百万円から4,365百万円(+2,418百万円)と大きく増加。商品(在庫)は4,225百万円から4,510百万円(+285百万円)。未払法人税等は5,111百万円から1,910百万円(△3,201百万円)、賞与引当金が544百万円減り、負債合計は7,943百万円(同△1,595百万円)。純資産は、四半期純利益4,365百万円の計上と、剰余金の配当2,398百万円(前期の期末配当40円)による。借入金の計上はなく、無借金
- 配当は、第2四半期末31円・期末31円の年62円予想で、前期実績(第2四半期末35円+期末40円=75円)から13円少ない予想。予想の修正はなし。減配となる理由は短信に記載がない。通期予想の1株当たり純利益レンジ(205.60〜228.45円)に対する配当性向は約27〜30%(当社試算)
- 【要確認】通期予想はレンジ形式で、売上高56,000〜60,000百万円(+0.6〜+7.8%)、営業利益18,000〜20,000百万円(△10.8〜△0.9%)、経常利益18,000〜20,000百万円(△10.9〜△1.0%)、純利益12,326〜13,696百万円(△12.5〜△2.8%)、1株当たり205.60〜228.45円。2026年6月10日公表から修正なし。第1四半期の進捗は、売上高27.7〜29.7%、営業利益32.0〜35.5%、純利益31.9〜35.4%。残り3四半期の営業利益は11,610〜13,610百万円(1四半期あたり約3,870〜4,540百万円、当社試算)で足り、第1四半期(6,390百万円)を大きく下回る水準だが、前期も第1四半期の営業利益7,003百万円が通期(約20,179百万円、通期予想の増減率からの当社逆算)の約35%を占めており、第1四半期が高くなる形は前期と同じ。会社は予想の前提を短信で説明していない
- 決算補足説明資料・決算説明会は「有」。四半期財務諸表は監査法人のレビュー対象外。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成していない(減価償却費103百万円、前年同期95百万円)
財政状態
総資産
36,873百万円
純資産
28,930百万円
自己資本比率
78.5%
現金及び預金
19,364百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年4月期 通期予想(レンジ、修正なし) | 56,000〜60,000百万円(進捗27.7〜29.7%)+0.6〜+7.8% | 18,000〜20,000百万円(進捗32.0〜35.5%)△10.8〜△0.9% | 18,000〜20,000百万円△10.9〜△1.0% | 12,326〜13,696百万円(進捗31.9〜35.4%)△12.5〜△2.8% |
注目ポイント
売上は伸びたが、原価が売上以上に増えて粗利率が5.8pt低下し、営業利益は前年を下回った。営業利益率は約38%と高い水準を保っているものの、前年同期の44%からは大きく下がっている。前年同期は売上が2倍超に急拡大した期で、比較の基準が高いことも背景にある。ただし、原価が増えた理由を短信は説明していないため、一時的な要因か構造的な変化かは判断できない。
財務は自己資本比率78.5%、現金及び預金194億円、借入金なしと厚い。売掛金と買掛金が同時に大きく増えているが、その理由は短信に説明がない。配当は年62円の予想で、前期実績の75円から減る形になっている。
通期予想はレンジ形式で、営業利益は前期比で微減〜1割減を見込む。前期も第1四半期が通期の約35%を占めていたことから、第1四半期の進捗が高いことは前期と同様である。第2四半期以降、原価率が戻るかどうかが、レンジの上下を分けるポイントになる。