2026年10月期 第3四半期 決算サマリー
サマリー
AIを中心にIT・ハードウェアを組み合わせたソリューションを提供するpluszero(非連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、製造業・情報通信業向けのプロジェクト型の契約単価が上がり、売上高が前年同期比17.0%増の13億61百万円、営業利益が同29.4%増の5億9百万円、四半期純利益が同29.3%増の3億24百万円と増収増益となった。 売上総利益率は58.0%から61.5%へ上昇。研究開発中の「仮想人材派遣」の中核技術の一部を、将来の収益獲得が確実になったとして資産計上している。 2026年3月に自己株式88,800株(約2億円)を取得。通期予想は据え置きで、累計の進捗は約68%、第4四半期の売上高は前年同期の約1.7倍が必要となる計算。
売上高
1,361百万円
+17.0%営業利益
509百万円
+29.4%経常利益
509百万円
+29.3%四半期純利益
324百万円
+29.3%売上総利益率
61.5%
+3.5pt(前年同期58.0%、当社試算)売上高営業利益率
37.4%
+3.6pt(前年同期33.8%、当社試算)1株当たり四半期純利益
41.50円
前年同期32.41円(+28.0%)現金及び預金
1,260百万円
前期末比+66百万円ハイライト
- 売上高は1,361百万円(前年同期比+17.0%)。会社は、製造業顧客・情報通信業顧客向けのソリューション提供を中心に、プロジェクト型の契約単価が順調に増加したと説明している。売上総利益は837百万円(+24.1%)で売上総利益率は61.5%(同58.0%)、販管費は328百万円(+16.7%)、営業利益は509百万円(+29.4%)、営業利益率は37.4%(同33.8%)。営業外収益は受取利息1百万円など、営業外費用は支払手数料0.8百万円で、経常利益は509百万円(+29.3%)。売上の内訳(プロジェクト型とサービス型の比率、AEI関連売上の金額など)は短信に開示がない
- 特別損失に投資有価証券評価損10百万円(前年同期なし)を計上。税引前四半期純利益は500百万円、法人税等は175百万円(負担率35.0%、前年同期36.2%、当社試算。うち法人税等調整額28百万円)、四半期純利益は324百万円(+29.3%)。1株当たり四半期純利益は41.50円(前年同期32.41円)、潜在株式調整後は40.19円(同30.88円)
- 事業は「ソリューション提供事業」の単一セグメント。プロジェクト型(オーダーメイド型AI/DXソリューション、AEIサービスの初期開発・導入支援)で得たキャッシュフローを、独自コンセプトの技術「Artificial Elastic Intelligence(AEI)」の研究と、収益性の高い「サービス型」(仮想人材派遣に関する技術情報の提供・ライセンス供与、立上支援)への継続投資に振り向ける方針。業務提携先に対するライセンス供与、立上支援、API化したAEI基礎技術の提供などのサービス型の役務提供を実施し、研究開発の商用化を順次進めている
- 【会計処理の注目点】仮想人材派遣の研究開発の一部について、将来の収益獲得が確実になったとして、中核技術N4及びPSFの一部を資産計上した。ソフトウエアは143百万円から274百万円へ131百万円増え、ソフトウエア仮勘定は105百万円から53百万円へ51百万円減り、無形固定資産は248百万円から327百万円(+79百万円)になった。資産計上した分は当期の費用にならず、今後の償却費として費用化される(減価償却費は73百万円、前年同期48百万円)。利益の伸びには資産計上の影響が含まれる可能性があるが、資産計上額と、費用処理した研究開発費の金額は短信に開示がない(【要確認】)
- 財政状態は、総資産1,951百万円(前期末比+96百万円)、純資産1,656百万円(同+140百万円)、自己資本比率84.9%(前期末81.7%)。現金及び預金は1,194百万円から1,260百万円(+67百万円)、売掛金及び契約資産は316百万円から290百万円(△26百万円)、繰延税金資産は58百万円から30百万円(△28百万円)。負債は295百万円(同△44百万円)で借入金はなく、未払費用が143百万円から58百万円(△86百万円)、未払金が17百万円から51百万円(+35百万円)、未払法人税等が99百万円から79百万円(△20百万円)。前期末に未払費用に含めていた未払賞与は、支給タイミングに基づき賞与引当金37百万円として表示している
- 2026年3月11日の取締役会決議に基づき、自己株式88,800株を約200百万円(199,933千円)で取得した。期末自己株式は89,103株、自己株式の残高は△200百万円。発行済株式数は7,786,176株から7,898,130株へ111,954株増え、資本金・資本準備金が各7.5百万円増加した(理由の記載なし)。純資産の増加140百万円は、四半期純利益325百万円と資本の増加15百万円から自己株式の取得200百万円を差し引いた額に相当する。無配(予想も0円)で、株主還元は自己株式取得が中心
- 【要確認】通期予想(売上高2,010百万円+30.0%、営業利益743百万円+44.0%、経常利益743百万円+43.2%、純利益475百万円+29.9%、1株当たり60.47円)は修正なし。累計の進捗は売上高67.7%、営業利益68.5%、純利益68.4%。達成には第4四半期に売上高約649百万円、営業利益約234百万円が必要で、第1〜第3四半期の平均(売上高約454百万円、営業利益約170百万円)を上回り、前年第4四半期(通期予想の増減率からの当社逆算で売上高約383百万円、営業利益約123百万円)の約1.7倍、約1.9倍にあたる(いずれも当社試算)。第4四半期の受注・売上計上の見込みの根拠は短信に記載がない
- 決算補足説明資料は「有」、決算説明会も「有」(機関投資家、アナリスト、個人投資家向け)。四半期財務諸表は監査法人のレビュー対象外。キャッシュ・フロー計算書は作成していない
財政状態
総資産
1,951百万円
純資産
1,656百万円
自己資本比率
84.9%
現金及び預金
1,260百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月期 通期予想(修正なし) | 2,010百万円(進捗67.7%)+30.0% | 743百万円(進捗68.5%)+44.0% | 743百万円+43.2% | 475百万円(進捗68.4%)+29.9% |
注目ポイント
契約単価の上昇を背景に、売上・利益とも3割前後伸びた。売上総利益率、営業利益率とも3.5pt前後上昇し、収益性が上がっている。売上の内訳が開示されておらず、どの案件やどの売上分類が単価上昇を牽引したのかは短信からは分からない。
注意したいのは会計処理である。研究開発中の「仮想人材派遣」の中核技術の一部を、将来の収益獲得が確実になったとして資産計上しており、その分は当期の費用にならない。今後は償却費として費用化されるため、今期の利益率の上昇には、資産計上の影響が含まれる可能性がある。資産計上額と費用処理した研究開発費の金額は短信に示されていないため、実力ベースの利益の伸びは、この点を割り引いて見る必要がある。
通期予想は据え置かれているが、第4四半期は前年の約1.7倍の売上高が必要となる。加えて、2026年3月に約2億円の自己株式を取得しており、無配の同社にとっては還元の中心になっている。第4四半期の売上計上の見込みと、資産計上した技術の収益化が、次の焦点である。