2026年10月期 第3四半期 決算サマリー
サマリー
宿泊施設向け予約エンジン「tripla Book」等を展開するtriplaの2026年10月期第3四半期累計は、近隣国からのインバウンド 個人旅行客の活況でGMVが伸び、tripla Bookの従量収益の手数料率(take rate)も過去最高の1.65%に達した。 営業収益は前年同期比43.2%増の26億13百万円、営業利益は同133.7%増の7億58百万円と大幅な増収増益で、 通期業績予想を今期2度目の上方修正とした。
営業収益
2,613百万円
+43.2%営業利益
758百万円
+133.7%経常利益
874百万円
+139.3%親会社株主に帰属する四半期純利益
574百万円
+86.2%ハイライト
- 【上方修正】通期業績予想を第2四半期に続き再度上方修正。営業利益は822百万円→1,029百万円(+25.2%)、経常利益は927百万円→1,171百万円(+26.3%)、親会社株主帰属当期純利益は602百万円→766百万円(+27.3%)。今回はトップラインの好調が主因で、Q3累計の営業利益は修正後計画の73.7%、修正前計画の92.2%に到達
- tripla Bookの従量収益のtake rateは過去最高の1.65%(前四半期1.57%)。導入施設数は4,530施設(前期末比+690施設)、tripla Botは2,289施設(同+153施設)。国内GMVは累計で1,563億円(前年同期比+30.3%)、第3四半期単独では560億円(同+30.8%)
- 営業収益は日本が+52.3%の2,286百万円と牽引。営業利益も日本が780百万円(+142.6%)で、東南アジアは△2百万円、東アジアは△26百万円と海外は損益が伴わない状況(のれん償却額控除後)
- 収益は旅行需要が高まる下期偏重の構造。Book従量収益は8月を含む第4四半期に強く出る傾向があり、通期営業収益に対する進捗率はQ3時点で72.4%(修正後計画)
- 観光庁統計では、延べ宿泊者数は前年同期比96.2%(日本人98.0%、訪日外国人91.7%)。中国政府の渡航自粛要請で中国人旅行者が大幅に減少する一方、台湾・韓国・米国など他市場が補完。同社は中国以外の海外個人旅行客は減少していないと想定
- 【財政状態】総資産は前期末比71億円増の268億円に膨らんだが、増加の大半はtripla Bookで預かっている宿泊代金の預り金(+66億円、預り金残高231億円)。自己資本比率は8.5%と低いが、預り金を含む事業構造によるもの。営業外収益として受取利息66百万円・為替差益48百万円も経常利益を押し上げた
- 事前決済比率は2025年10月期の26.4%から、2026年10月期30%・2027年10月期35%・2028年10月期40%を計画。中期計画は2028年10月期に営業収益50億円・営業利益12億円超(既存事業のみ)、2030年10月期に営業収益100億円を目指す。2027年10月期の営業利益計画989百万円は、人件費高騰など外部環境の変化に対応するため前回計画から17.8%引き下げ
- 決済従量課金のtake rate改善とNet収益の増加を目的に、香港・米国法人に続きオーストラリアに100%出資の現地法人(tripla Australia Pty Ltd、資本金10万豪ドル)を設立予定
財政状態
総資産
26,890百万円
純資産
2,348百万円
自己資本比率
8.5%
次期業績予想
| 決算期 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月期 通期予想(今回上方修正) | 3,608百万円+40.2% | 1,029百万円+98.0% | 1,171百万円+100.6% | 766百万円+52.7% |
| 2027年10月期 計画 | 4,320百万円 | 989百万円 | 1,068百万円 | 687百万円 |
注目ポイント
営業利益がQ3累計で通期の修正後計画の73.7%、修正前計画の92.2%に達するなど、利益面の進捗は極めて良好で、今回の上方修正も収益(営業収益)の上振れが主因とされている。特に、tripla Bookの従量課金のtake rateが2025年10月期実績の1.22%から1.65%まで上昇している点は、決済関連の収益拡大が手数料率を押し上げていることを示しており、単なる導入施設数の増加以上に収益性が改善している。
注意点は三つある。第一に、営業収益は下期偏重の構造で、Q3累計の進捗は修正後計画の72.4%にとどまるため、第4四半期(8〜10月)の従量収益がどこまで積み上がるかが通期達成の鍵となる。第二に、来期(2027年10月期)の営業利益計画は前回計画から約18%引き下げられており、人件費の高騰が利益成長の重しになる見通しであることが示唆される。第三に、貸借対照表は宿泊代金の預り金で大きく膨らんでおり、総資産268億円のうち預り金が231億円を占める。自己資本比率8.5%という数字だけを見ると財務が薄く見えるが、この預り金はtripla Bookで取り扱う宿泊代金であり、取扱高(GMV)の拡大とともに残高が膨らみやすい構造である点は理解しておきたい。