2027年5月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
スイッチング電源大手のコーセルの2027年5月期第1四半期は、AI活用によるデータセンター・半導体製造装置向け需要の急拡大を背景に 受注高が前年同期比154.9%増と大きく伸び、売上高は78億14百万円(同54.0%増)。営業利益・経常利益・親会社株主帰属四半期純利益は いずれも前年同期の損失から黒字に転換し、連結子会社Powerbox International ABの株式譲渡益も寄与した。通期業績予想は上方修正。
売上高
7,814百万円
+54.0%営業利益黒字転換
545百万円
黒字転換(前年同期△389百万円)経常利益黒字転換
580百万円
黒字転換(前年同期△79百万円)親会社株主帰属四半期純利益黒字転換
661百万円
黒字転換(前年同期△68百万円)ハイライト
- AI活用による社会のデジタル化推進を背景にサーバー・データセンター向け半導体製造装置関連の需要が急速に増加、受注高は130億1百万円(前年同期比154.9%増)。受注高/売上高の水準を示すBBレシオも1.66倍まで上昇
- 地域別の増収要因は日本が21億55百万円と牽引役、アジア・北米も回復した一方、欧州のみ1億59百万円の減収が継続
- 日本生産販売事業のセグメント利益は前年同期の291百万円の損失から535百万円の黒字に転換、訪問営業強化と新製品拡販が寄与
- 連結子会社Powerbox International ABの全株式譲渡が2026年9月1日付で完了、関係会社整理益355百万円を特別利益に計上。第2四半期にも追加の整理益計上を見込む
- 通期業績予想を上方修正、年間配当予想も前期の55円から60円に増配
- 配当方針の指標であるDOE(株主資本配当率)下限を3.5%から4.5%に引き上げ、今回の増配の裏付けとした
- 【新設】株主優待制度を導入。2026年11月20日・2027年5月20日の株主名簿に連続して300株以上を記録した株主が対象(初回のみ)。富山・北陸地方の特産品を贈呈予定
- 2027年5月期第2四半期以降の受注は、当第1四半期の急増(顧客の在庫消化・先行手配等)から一旦落ち着く見通しだが、通期では過熱感のない安定した水準の受注が継続する見込み
財政状態
総資産
61,704百万円
純資産
51,836百万円
自己資本比率
84.0%
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主帰属四半期純利益 | 親会社株主帰属当期純利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027年5月期 第2四半期(累計)予想(修正) | 15,380百万円 | 970百万円 | 1,030百万円 | 1,430百万円 | — |
| 2027年5月期 通期予想(修正) | 31,800百万円+27.0% | 2,300百万円 | 2,400百万円+798.1% | — | 2,600百万円 |
注目ポイント
前年同期の営業損失から一転して大幅増収増益となった背景には、AI関連投資に伴う半導体製造装置・データセンター向け電源需要の急拡大がある。ヨーロッパ生産販売事業は需要調整局面が続き引き続き苦戦している一方、日本・北米・アジアの各事業は軒並み好転しており、地域による回復の濃淡が見られる。なお、今回の四半期純利益にはPowerbox International AB株式譲渡に伴う関係会社整理益(355百万円)という一時的な要因も含まれており、本業の収益力改善がどこまで持続するかは次四半期以降の営業利益動向で見極めたい。
決算説明資料からは、短信だけでは分からない補足情報も開示されている。営業利益改善の内訳を見ると、材料価格高騰・人件費増による目減り分(合計で3億円強のマイナス要因)を、売上増加に伴う工場稼働率の改善効果が上回った格好で、単なる増収効果だけでなく収益構造そのものも改善している点は評価できる。また、配当については単なる増配にとどまらず、配当方針の指標であるDOE(株主資本配当率)の下限を3.5%から4.5%に引き上げるという方針変更を伴っており、増配の持続性を裏付ける材料といえる。さらに今回、300株以上を一定期間継続保有する株主を対象とした株主優待制度(富山・北陸地方の特産品)が新設された点は、個人投資家にとって新規性の高いニュースであり、短信のみでは把握できない情報である。
なお、今期の受注急増(BBレシオ1.66倍)がそのまま続くわけではない点には注意したい。会社側は、第1四半期に見られた顧客の在庫消化・先行手配による受注の押し上げは第2四半期以降は一旦落ち着くとしつつ、通期では過熱感のない安定した受注水準が続くとの見通しを示している。第2四半期累計の業績予想(売上高153億80百万円、営業利益9億70百万円)も開示されており、次回の決算でこの水準に対する進捗を確認したい。