7110東証グロースライフスタイルEC(「北欧、暮らしの道具店」)
2026年7月期 決算サマリー
サマリー
「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの2026年7月期は、マーケティング投資の拡大でアプリ・会員基盤が伸び、売上高は 前期比21.9%増の103億46百万円と20期連続の増収となり、100億円を1年前倒しで突破した。営業利益は同40.3%増、親会社株主に 帰属する当期純利益は同44.6%増と大幅な増益で、いずれも業績予想を上回った。株主還元は今期の配当55円に続き、来期からは配当を 実施せず自己株式取得を中心とする方針に転換する。
売上高
10,346百万円
+21.9%EBITDA
1,600百万円
+37.6%営業利益
1,530百万円
+40.3%経常利益
1,563百万円
+40.6%親会社株主に帰属する当期純利益
1,035百万円
+44.6%ハイライト
- 20期連続の増収・増益で、連結売上高は100億円を1年前倒しで突破。業績予想に対しても売上高101.4%、営業利益105.3%、当期純利益107.4%と上回って着地
- 「北欧、暮らしの道具店」は売上高10,010百万円(前期比+21.1%)、EBITDA1,593百万円(同+35.2%)。アプリのダウンロード数は第4四半期として過去最高(前年同期比+46.6%)、累計約652万DLで、アプリ経由の注文が全体の約76%。累計会員は約90万人、年間購入者は約28万人(同+14.5%)
- 広告のインハウス化を進め(直近月次でインハウス割合95%)、代理店手数料を圧縮して媒体費に振り向け効率が向上。売上高広告宣伝費率は11.8%、販管費率は30.1%(前期32.1%)に改善
- 「foufou」は売上高382百万円(同+68.0%)と高成長し、EBITDAは前期の△15百万円から7百万円の黒字に転換。ただし業績予想(売上高460百万円・EBITDA41百万円)には届かなかった
- 【要確認】第4四半期(5〜7月)単独では、売上高2,387百万円(前年同期比+19.0%)ながら営業利益は190百万円(前年同期219百万円、△13%)、営業利益率8.0%(同11.0%)と減益。4Qに特別賞与を支給し販管費が855百万円に増加したことが背景
- 【株主還元の方針転換】今期は年間配当55円(前期48円、配当総額405百万円)。今期の総還元額546百万円(FCF1,092百万円の50%)の残額141百万円は自己株式取得に充当予定。2027年7月期は配当予想を0円とし、還元原資570百万円(発行済株式の約3.8%相当)を全額自己株式取得に充てる方針で、本格的な取得は2028年7月期から(2027年7月期中は上記141百万円で手法をテスト)
- 自己株式取得は、創業者が応募しやすい東証の立会外取引(ToSTNeT-3)で実施し、創業者比率(66.9%)を10数年かけて50%超近くまで引き下げて流動性を高める狙い。あわせて従業員持株会を設立(奨励率100%、2026年9月給与から購入開始)。上場後4年で純利益は約1.8倍に対し株価は公開価格1,420円から2,017円(+42%)にとどまることを課題として挙げている
- 財務は自己資本比率83.7%、ネットキャッシュ53.6億円と潤沢。営業CFは1,101百万円、FCFは1,092百万円。中東情勢等に備えたサプライチェーン対応で商品在庫が258百万円増加
財政状態
総資産
7,170百万円
純資産
5,999百万円
自己資本比率
83.7%
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | EBITDA | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027年7月期 通期予想 | 11,700百万円+13.1% | 1,755百万円+9.6% | 1,675百万円+9.5% | 1,710百万円+9.4% | 1,112百万円+7.4% |
注目ポイント
本業は非常に好調で、アプリ・会員・購入者といった先行指標がそろって過去最高を更新している。営業利益率は14.8%、EBITDAマージンは15.5%と、目安とする水準に計画どおり回復した。一方で、第4四半期だけを見ると特別賞与の影響で営業利益は前年同期を下回っており、年間の増益率ほど直近の勢いが強くないことは押さえておきたい。
今回のもう一つの焦点は株主還元の方針転換である。来期の配当予想は0円で、還元は約5.7億円規模の自己株式取得に切り替わる。創業者の持ち株比率を下げて流動性を高め、EPS(1株当たり利益)を押し上げる狙いだが、自己株式取得の開始は2028年7月期からが本格的で、2027年7月期中は手法のテストにとどまる(説明資料)。配当を重視していた投資家にとっては、インカムゲインがなくなる点が大きな変化となる。取得の実行時期と、創業者がどの程度応募するかを注視したい。