2026年10月期 第3四半期 決算サマリー
サマリー
自動車用補修フィルターや燃焼機器バーナを手がけるエイケン工業(非連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、売上高が前年同期比1.8%減の60億62百万円、営業利益が40.6%減の2億40百万円、四半期純利益が37.4%減の1億97百万円だった。 石油化学製品の調達遅れで生産が計画を下回り、原材料・梱包資材の高騰や製造経費の増加で売上原価率が上がった。燃焼機器は増収増益。通期予想は据え置きで、営業利益の進捗は59.0%。
売上高
6,062百万円
△1.8%営業利益
240百万円
△40.6%経常利益
262百万円
△40.5%四半期純利益
197百万円
△37.4%フィルター部門の営業利益
458百万円
△25.5%燃焼機器部門の営業利益
32百万円
+30.1%売上総利益率
14.0%
前年同期16.0%海外売上高
2,997百万円
△7.4%ハイライト
- 売上高は60億62百万円(△1.8%、△1億11百万円)。売上原価が52億11百万円(+0.5%)と売上高ほど減らず、売上総利益は8億51百万円(△14.0%)、売上総利益率は14.0%(前年同期16.0%)に低下した。販管費は6億10百万円(+4.3%)で、営業利益は2億40百万円(△40.6%)、営業利益率は4.0%(同6.6%)。会社は、石油化学製品の調達が計画どおり進まなかったことなどで生産数が当初計画より減り、フィルター部門の売上に影響したことと、原材料・梱包資材の価格高騰と製造経費の増加による製品売上原価率の上昇を挙げる。背景として、中東地域の情勢不安が発端となったホルムズ海峡の封鎖継続に伴う石油化学製品等の調達遅れと価格高騰に言及している
- フィルター部門は売上高57億89百万円(△2.4%)、営業利益4億58百万円(△25.5%)。国内売上は同業者向けが減ったが商社向けが増えて27億92百万円(+3.7%)に伸びた一方、輸出売上がアジア向けの減少で29億98百万円(△7.4%)に減った。会社は、付加価値の高い大型車用フィルター、高性能オイルフィルター、プレス部品の拡販に注力し、輸出では自社ブランド「VIC」の海外の日本車向け販売を軸に、新製品の提案や主要輸出先以外への販売拡大に取り組んだ。自動車用補修フィルター市場は保有台数に比例するため頭打ちで、メンテナンス費用削減の意識の高まりで長期的に需要は減少傾向、海外からの安価な商品で価格競争も激しいと説明する
- 燃焼機器部門は売上高2億71百万円(+12.3%)、営業利益32百万円(+30.1%)で、コインランドリー用バーナ、厨房機器用バーナがともに増えた。その他(ガレージサウナ・灰皿等)は売上高1百万円(△44.0%)、営業損失4百万円。全社費用は2億45百万円(前年同期2億31百万円)。国内売上は30億64百万円(+4.4%)、海外売上は29億98百万円(△7.4%)で、海外比率は49.5%(前年同期52.5%)
- 営業外収益は31百万円(前年同期40百万円)で、受取配当金12百万円、受取賃貸料10百万円、受取利息3.9百万円。営業外費用は8.8百万円で、投資有価証券評価損4.5百万円を計上した。経常利益は2億62百万円(△40.5%)。特別利益は補助金収入7.4百万円、保険解約返戻金8.9百万円などで16.7百万円。税引前四半期純利益は2億79百万円(前年同期4億44百万円)、法人税等は81百万円(負担率29.2%、前年同期28.9%、当社試算)、四半期純利益は1億97百万円(△37.4%)、1株当たり四半期純利益は192.64円(同308.94円)
- 財政状態は、総資産80億86百万円(前期末比+3億03百万円)、純資産62億26百万円(同+1億70百万円)、自己資本比率77.0%(前期末77.8%)。現金及び預金が+1億61百万円(20億35百万円、発注済み設備の導入に係る資金確保等)、電子記録債権が+39百万円、商品及び製品が+22百万円、仕掛品が+39百万円に増え、受取手形及び売掛金が△71百万円(支払方法を手形から電子記録債権に変更した取引先の増加など)。機械及び装置は+1億29百万円(設備投資)。負債は18億60百万円(同+1億33百万円)で、賞与引当金が+80百万円(冬季賞与に備える)、支払手形及び買掛金が+64百万円、未払法人税等が△55百万円。借入金は短期借入金4億60百万円のみ(前期末と同額)。純資産は、配当支払△1億12百万円(利益剰余金)、その他有価証券評価差額金+68百万円、純利益+1億97百万円。減価償却費は1億86百万円(前年同期1億73百万円)
- 配当は、期末予想110円(前期110円)で年110円の見通し(修正なし)。配当性向(予想)は約37%(当社試算)。第2四半期末は無配(前期も同様)で、期末のみ配当する形
- 【要確認】通期予想は2025年12月5日公表から変更なし(売上高8,351百万円+3.1%、営業利益408百万円△0.7%、経常利益431百万円△4.7%、当期純利益301百万円△7.7%、1株当たり294.07円)。第3四半期累計の進捗は売上高72.6%、営業利益59.0%、経常利益61.0%、純利益65.7%で、第4四半期に売上高約22億88百万円(前期第4四半期は予想の増減率から逆算して約19億円、約1.2倍)、営業利益約1億67百万円(前期第4四半期はごくわずか、丸め誤差が大きく逆算値は約数百万円、当社試算)が必要な計算になる。計画の前提や、調達難・原価高騰の見通しは短信に記載がない。キャッシュ・フロー計算書は作成されていない
財政状態
総資産
8,086百万円
純資産
6,226百万円
自己資本比率
77.0%
現金及び預金
2,035百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月期 通期予想(変更なし) | 8,351百万円(進捗72.6%)+3.1% | 408百万円(進捗59.0%)△0.7% | 431百万円(進捗61.0%)△4.7% | 301百万円(進捗65.7%)△7.7% |
注目ポイント
売上の減少は1.8%にとどまるが、営業利益は4割減った。売上原価がほとんど減らず、粗利率が16.0%から14.0%に下がった一方、販管費は+4.3%増えたためである。会社は石油化学製品の調達遅れによる生産数の減少と、原材料・梱包資材の高騰を挙げており、ホルムズ海峡の封鎖に伴う調達リスクが業績に出ている。
セグメント別では、主力のフィルター部門の営業利益が△25.5%と大きく、特に輸出(アジア向け)が7.4%減った。燃焼機器(バーナ)は増収増益だが、規模が小さく(売上2億71百万円)、全体の減益を補うには足りない。国内は商社向けで増えているが、市場全体は頭打ちで海外からの低価格品との競争も続いているという。
財務は借入金が短期4億60百万円のみで、現金及び預金20億円、自己資本比率77.0%と堅い。通期予想は据え置きだが、第3四半期累計の営業利益の進捗は59.0%にとどまり、第4四半期に売上・利益とも大きく積み上げる必要がある。調達難と原価高騰が続く中で予想を達成できるか、通期決算で確認したい。