決算ノート
8921TOKYO PRO Market中古マンション買取再販・収益物件開発販売
増収増益

2026年7月期 決算サマリー

サマリー

首都圏で中古マンションの買取再販と収益物件の開発販売を手がけるシーズクリエイト(非連結)の2026年7月期は、収益物件開発販売の売上が 約2.2倍に伸びて売上高が前期比30.4%増の153億53百万円、営業利益が同71.4%増の12億50百万円、当期純利益が同68.4%増の5億89百万円と大幅な増収増益。 営業CFは前期の30億円の流出から53百万円の収入へ改善した。ただし有利子負債は約98億円と総資産の約7割を占め、来期は「物件を厳選して慎重に仕入れる」として 売上高△5.0%、営業利益△38.0%の減収減益を予想している。

売上高

15,353百万円

+30.4%

営業利益

1,250百万円

+71.4%

経常利益

902百万円

+72.2%

当期純利益

589百万円

+68.4%

自己資本当期純利益率(ROE)

20.4%

+5.9pt(前期14.5%)

ハイライト

  • 事業別では、収益物件開発販売の売上高が7,279百万円(前期比+117.7%)と急拡大した一方、主力の区分建物買取再販(中古マンションの買取再販)は7,853百万円(同△4.9%)と減収。その他不動産事業(リフォーム・賃貸)は221百万円(同+30.3%)。増収の大半は収益物件の販売による
  • 売上総利益は2,530百万円(同+28.8%)で売上総利益率は16.5%(前期16.7%)とほぼ横ばい。販管費は1,279百万円(同+3.6%)にとどまり、増収に対して固定費の伸びが小さかったため営業利益が7割増。営業利益率は8.1%(前期6.2%)
  • 営業外費用は支払利息265百万円(前期172百万円)、支払手数料87百万円(同32百万円)に増加し、合計365百万円が営業利益の約3割に相当。経常利益(902百万円)は営業利益を348百万円下回る。借入の増加と金利負担が利益を圧迫している
  • 【要確認】有利子負債は約98億円(短期借入金3,139百万円、1年内返済予定の長期借入金3,498百万円、長期借入金3,035百万円、社債90百万円の合計、当社試算)で、総資産14,496百万円の約7割。1年内返済予定の長期借入金が前期末の462百万円から3,498百万円へ急増し、長期借入金は6,950百万円から3,035百万円へ減少しており、借入の返済期限が短期に集中している。自己資本比率は21.9%(前期末18.7%)
  • 販売用不動産が3,074百万円(前期末比+2,384百万円)に増える一方、仕掛販売用不動産は7,890百万円(同△1,567百万円)に減少し、仕入れた物件の販売準備が進んだ。棚卸資産の増加額は816百万円。営業CFは53百万円の収入(前期は3,015百万円の支出)と改善したが、利息の支払い267百万円などで資金は薄く、現金及び現金同等物は1,782百万円(前期末比△446百万円)に減少
  • 【市場環境】首都圏の中古マンションは、2025年4月〜2026年3月の成約戸数が49,314戸(前年度比+24.1%)、平均価格が5,322万円(同+7.8%)といずれも過去最高。ただし直近の2026年4〜6月期は成約戸数が11,853戸(前年同期比△2.0%)と7四半期ぶりに減少。会社は地価・建築コストの上昇や金利上昇で事業環境は厳しくなると想定
  • 【来期予想】2027年7月期は、売上高14,590百万円(△5.0%)、営業利益775百万円(△38.0%)、経常利益408百万円(△54.8%)、当期純利益253百万円(△56.9%)と減収減益を見込む。理由は「物件を厳選して慎重な仕入体制を継続するため」。今期は収益物件の販売が売上を押し上げたが、その反動と金利負担の増加を織り込んだ計画とみられる
  • 配当は無配(来期予想も無配)。決算補足説明資料と決算説明会はなし。TOKYO PRO Market上場の会社で、定時株主総会は2026年10月22日に開催予定

財政状態

総資産

14,496百万円

純資産

3,179百万円

自己資本比率

21.9%

現金及び現金同等物

1,782百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益当期純利益
2027年7月期 通期予想14,590百万円△5.0%775百万円△38.0%408百万円△54.8%253百万円△56.9%

注目ポイント

収益物件の開発販売という大型案件の売上計上が重なり、増収増益・ROE 20%超と好調な決算に見える。一方で、主力の中古マンション買取再販は減収であり、今期の利益成長は収益物件の販売時期に左右された面が大きい。会社自身が来期に減収減益を見込んでいる点も、その性格を表している。

不動産販売会社の常として、仕入れた物件を借入で抱える構造であり、有利子負債は約98億円と総資産の7割に達する。特に、1年内返済予定の長期借入金が約35億円へ膨らんでおり、借換えや物件の売却による返済が順調に進むかが重要になる。支払利息が前期の1.5倍に増えているため、金利がさらに上がる局面では収益の押し下げ要因になりやすい。

来期は営業利益が4割近く減る計画で、「慎重な仕入れ」が前面に出ている。中古マンション市場は過去最高水準にあるが、直近の四半期では成約戸数が減少に転じており、価格・金利・在庫の動向を継続的に確認したい。

出典:シーズクリエイト株式会社「2026年7月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2026年9月10日開示)

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