2026年7月期 決算サマリー
サマリー
D2C事業者向けネット広告・マーケティング支援を展開する売れるネット広告社グループの2026年7月期は、M&Aによる事業領域の拡大で 売上高は前期比6.0%増の16億61百万円となった一方、既存事業の計画未達や先行投資、貸倒引当金の計上で営業損失は5億43百万円に拡大。 減損損失・投資有価証券評価損などの特別損失も加わり、親会社株主に帰属する当期純損失は11億7百万円となった。 純資産(非支配株主持分を除く)はマイナスとなり、継続企業の前提に関する重要事象等も記載されている。
売上高
1,661百万円
+6.0%営業損失赤字
△543百万円
損失拡大(前期△166百万円)経常損失赤字
△540百万円
損失拡大(前期△169百万円)親会社株主に帰属する当期純損失赤字
△1,107百万円
損失拡大(前期△444百万円)ハイライト
- 【重要】3期連続の営業損失と営業活動によるキャッシュ・フローのマイナス(△214百万円)から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象・状況が存在。会社は改善施策とエクイティ・ファイナンス等による資金確保を理由に「重要な不確実性は認められない」と判断
- 【重要】東京証券取引所の上場維持基準における純資産額(連結純資産から非支配株主持分を控除)は2026年7月末時点でマイナス124百万円。2026年8月10日の株式交換・株式交付で株主資本が増え同日時点では正の状態に転じたとするが、適合に向けた計画は別途開示予定
- 特別損失536百万円を計上(減損損失389百万円、投資有価証券評価損147百万円)。貸倒引当金も77百万円積み増し、売掛金は前期末比481百万円増加
- セグメント別は、マーケティング支援(売上704百万円、損失64百万円)、コマース(売上106百万円で前期比48.9%、損失100百万円)、グローバル情報通信(売上653百万円、利益9百万円で前期比11.6%)、デジタルアセット・Web3(売上197百万円、損失11百万円)。既存事業の受注・新規案件が当初想定を下回った
- 期中に株式会社SOBAプロジェクト、ビットコイン・セイヴァー、愛徳威広告(上海)など8社を新規連結。期末後も株式交換・株式交付で国際漢方研究所(完全子会社化)、Step y's、パロットビークを取り込み、株式会社ライトを1円で取得、暗号資産決済のGANECCIを設立するなど、M&A・新規事業を急拡大
- 2026年5月に株式会社アドウェイズへの第三者割当(397,000株)で資金調達。加藤公一レオ氏及び共同保有者の議決権割合は新株発行による希薄化で55.02%から46.30%に低下し、「親会社以外の支配株主」から外れた
- 2027年7月期は売上高5,004百万円(前期比+201.3%)、営業利益202百万円と黒字転換を計画。前提は既存事業の回復に加え、期中・期末後に子会社化した各社の業績が通期で連結に入ること。配当は無配
財政状態
総資産
2,345百万円
純資産
91百万円
自己資本比率
△5.3%
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年7月期 通期予想 | 5,004百万円+201.3% | 202百万円 | 152百万円 | 130百万円 |
注目ポイント
赤字の拡大以上に重要なのは、財務基盤の悪化と、それを補うM&A中心の再建シナリオである。純資産は前期の677百万円から91百万円まで減り、非支配株主持分を除いた自己資本は△124百万円と債務超過の状態にある。東証の上場維持基準はこの非支配株主持分を除いた額で判定されるため、期末時点ではマイナスとなっていたが、2026年8月10日の株式交換・株式交付で株主資本が増加し、同日時点では純資産が正に戻ったと説明されている。上場維持基準への適合計画は別途開示される予定で、その内容を確認したい。
来期の黒字転換計画(営業利益202百万円)は、売上高が前期の約3倍(5,004百万円)に増えることが前提で、その前提には、期中および期末後に子会社化した各社の業績が通期で連結に含まれることが挙げられている。既存のマーケティング支援・コマースはいずれも損失が続いており、のれんや取得したばかりの子会社が計画どおり収益に貢献するか、また株式発行による希薄化を含めた資本政策がどう進むかが焦点となる。