2026年7月期 決算サマリー
サマリー
DX・データ活用・基幹システム刷新を手がけるITコンサルティング会社、デリバリーコンサルティングの2026年7月期は、売上高が前期比3.7%増の 28億41百万円と11期連続の増収。コンサルタントの稼働率が上がって外注費が減り、営業利益は同184.0%増の1億47百万円、 親会社株主に帰属する当期純利益は同238.0%増の1億18百万円と大幅に増えた。ただし、いずれも期初の業績予想には届かず、 第4四半期は営業赤字だった。2027年7月期は売上高+7.0%、営業利益+15.5%を見込むが、上期は営業赤字の予想で、利益は下期に偏る計画となっている。
売上高
2,841百万円
+3.7%営業利益
147百万円
+184.0%経常利益
155百万円
+157.9%親会社株主に帰属する当期純利益
118百万円
+238.0%売上高営業利益率
5.2%
+3.3ptコンサルタント数
172名
+24名ハイライト
- 営業利益の増加要因(説明資料)は、売上高増で+100百万円、稼働率改善に伴う外注費の減少で+145百万円。一方で人件費増△103百万円、採用費増△21百万円、ライセンス仕入増などのその他△25百万円が重しとなり、前期比では+96百万円の増益。増益の大半は、外注に頼らず自社のコンサルタントで案件を回す「内製化」によるもの
- 業績予想に対しては未達。売上高2,841百万円は予想3,098百万円を8.3%下回り、営業利益147百万円は予想172百万円を14.8%、当期純利益118百万円は予想130百万円を9.6%下回った。会社は「プライム案件の獲得が想定ほど伸びず売上が計画を下回り、稼働率の改善が限られた」と説明。コンサルタント数も計画185〜195名に対し172名(達成率93%)にとどまる
- 【要確認】第4四半期(5〜7月)の単独では、売上高678百万円(前年同期739百万円、△8.3%)、営業利益△20百万円(前年同期23百万円の黒字)と赤字に転落。短信は「案件の端境期の影響」と説明。四半期の営業利益は第1四半期56百万円→第2四半期82百万円→第3四半期28百万円→第4四半期△20百万円と、期を追うごとに縮小した
- 販管費は957百万円(前期比△4.5%)に減少。採用費は増えたが(98百万円、前期77百万円)、業界全体の人材需給の逼迫で採用が計画を下回り、人件費も想定を下回った。増益の一部は「採用が進まなかったこと」の裏返しでもある
- 【説明資料】日鉄ソリューションズと2025年9月30日に資本業務提携(第3位株主)し、データ基盤・BI・AIエージェント案件を共同提案。同社は売上高434百万円で最大の顧客に。次いでトランス・コスモス346百万円、PwCコンサルティング308百万円で、上位3社で売上高の約38%を占める(短信)
- 【説明資料】アクセンチュアの販売代理店契約(2025年6月)はSAP領域に注力する方針を明確化。SAP ERP 6.0の標準保守が2027年末に終了するため、国内約2,000社のSAPユーザーのうち約4割が未移行(2024年11月時点)とされ、S/4HANAの導入コンサルが可能な国内ベンダーは約100社と供給が不足。Microsoftの「Data & AI(Azure)」ソリューションパートナー認定も取得。M&Aは引き合いがあるものの、シナジーや評価額の面で成約に至っていない
- 財務は自己資本比率73.9%(前期末74.9%)、現預金1,071百万円(前期末比+210百万円)、有利子負債12百万円(同29百万円)と健全。営業CFは246百万円の収入(前期は66百万円の支出)。ROEは10.1%(前期3.2%)。配当は無配で、2027年7月期の予想も無配
- 潜在株式(新株予約権)を含めた1株当たり当期純利益は22.08円(通常は24.49円)。潜在株式は528,195株で、発行済株式(4,863,200株)の約11%にあたり、行使が進むと希薄化する
財政状態
総資産
1,671百万円
純資産
1,237百万円
自己資本比率
73.9%
現金及び預金
1,071百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業損失 | 経常損失 | 親会社株主に帰属する中間純損失 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2027年7月期 第2四半期(累計)予想 | 1,402百万円△3.8% | △42百万円前年同期は営業利益138百万円 | △37百万円前年同期は経常利益148百万円 | △26百万円前年同期は純利益101百万円 | — | — | — |
| 2027年7月期 通期予想 | 3,040百万円+7.0% | — | — | — | 169百万円+15.5% | 175百万円+12.6% | 122百万円+3.7% |
注目ポイント
増益率は大きいが、水準としてはまだ低い。営業利益率は5.2%で、2021〜2022年7月期の15〜16%台には遠く、前期の1.9%から回復した位置にある。しかも計画(営業利益172百万円)には届かず、直近の第4四半期は赤字だった。売上が伸び悩む中で外注費の削減が利益を支えた構図で、来期にコンサルタントを増員して売上を伸ばせるかが、利益率の改善が続くかどうかの分かれ目になる。
2027年7月期の会社予想は、上期の営業損失△42百万円から、下期に営業利益212百万円(営業利益率13.0%)へ一気に改善する形で、通期の利益は下期に大きく偏っている。下期の売上高は1,637百万円と、上期見込み(1,402百万円)から約17%の増加が前提になる。第4四半期に下がった稼働率がどこまで戻るか、SAP移行や日鉄ソリューションズとの共同案件が売上にどれだけ乗るかが焦点で、次回の第1四半期・第2四半期決算で受注と稼働の状況を確認したい。
中長期では、2029年7月期に売上高50億円・営業利益5億円(営業利益率10%)、コンサルタント270〜300名を目標に掲げ、売上高の年平均成長率は+20%以上(スライド上の前回計画は+16%以上)としている。ただし、2024年7月期以降の売上成長は年率2.5%にとどまっており(それ以前は14.7%)、目標との差は大きい。