2026年10月期 第3四半期 決算サマリー
サマリー
建設機械レンタルを中核とするカナモト(連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、売上高が前年同期比2.6%増の1,629億23百万円、営業利益が31.6%増の154億40百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が39.1%増の100億63百万円と、増益幅が大きかった。 売上原価が減って売上総利益率が29.8%から32.0%に上がった(当社試算)。2026年9月4日に高崎事務器など3社の子会社化を決議した(後発事象)。通期予想は据え置きで、営業利益の進捗は75.7%(当社試算)。
売上高
162,923百万円
+2.6%営業利益
15,440百万円
+31.6%経常利益
15,779百万円
+31.1%親会社株主に帰属する四半期純利益
10,063百万円
+39.1%建設関連事業の営業利益
13,990百万円
+30.8%売上高営業利益率
9.5%
前年同期7.4%1株当たり四半期純利益
292.22円
+41.3%自己資本比率
46.4%
前期末45.4%ハイライト
- 売上高は1,629億23百万円(+2.6%)に対し、売上原価は1,107億40百万円(△0.7%)と減り、売上総利益は521億83百万円(+10.3%)、売上総利益率は32.0%(前年同期29.8%)に上がった。販管費は367億43百万円(+3.3%)で、営業利益は154億40百万円(+31.6%)、営業利益率は9.5%(同7.4%)(いずれも当社試算)。売上原価が減少した内訳は短信に記載がない(減価償却費は244億41百万円で前年同期258億03百万円から△5.3%、のれん償却額は5億06百万円で同4億79百万円)
- 建設関連事業は売上高1,462億40百万円(+3.4%)、営業利益139億90百万円(+30.8%)。会社は、防災・減災や国土強靱化を背景とした公共投資に加え、物流施設やデータセンター関連等の民間投資も進み、レンタル需要は底堅かったと説明し、レンタル用資産の効率的な運用とレンタル単価の適正化、DX戦略による生産性向上を挙げる。内訳は、レンタル契約が1,046億48百万円(前年同期1,005億23百万円、+4.1%)、商品及び製品の販売が317億27百万円(同295億55百万円、+7.3%)、その他が97億14百万円(同113億20百万円、△14.2%)。中古建機販売は、保有資産の適正なポートフォリオ維持を目的とした計画的な売却で売上高が△1.8%
- その他(鉄鋼関連、情報機器関連、福祉関連など)は売上高166億83百万円(△3.8%)、営業利益10億30百万円(+68.8%)。会社は事業ごとに差はあったが全体としてはおおむね好調だったとする。商品及び製品の販売は92億01百万円(前年同期104億27百万円、△11.7%)。全社等のその他の調整額は4億18百万円(同4億28百万円)
- 営業外収益は10億09百万円(前年同期8億20百万円)、営業外費用は6億70百万円(同5億15百万円)で、支払利息が3億68百万円(同1億89百万円)とほぼ倍増した。経常利益は157億79百万円(+31.1%)。特別利益は4億83百万円(投資有価証券売却益4億36百万円、前年同期は10百万円)、特別損失は2億70百万円(固定資産除売却損)。法人税等は53億67百万円(負担率33.6%、前年同期34.1%、当社試算)で、親会社株主に帰属する四半期純利益は100億63百万円(+39.1%)、1株当たり四半期純利益は292.22円(同206.85円)
- 財政状態は、総資産3,320億53百万円(前期末比+79億65百万円)、純資産1,648億15百万円(同+73億52百万円)、自己資本比率46.4%(前期末45.4%)。現金及び預金が+109億57百万円(720億67百万円)、投資有価証券が+37億87百万円(175億06百万円)に増えた一方、受取手形・売掛金及び契約資産が△37億17百万円、レンタル用資産(純額)が△19億45百万円(1,042億41百万円)。借入金(短期・1年内返済予定・長期)は649億22百万円(前期末551億08百万円、+98億14百万円、当社試算)で、短期借入金が+67億50百万円、1年内返済予定の長期借入金が+29億96百万円。一方、電子記録債務△21億59百万円、支払手形及び買掛金△20億52百万円、未払法人税等△11億円、長期未払金△34億12百万円。現金が借入金の増加とほぼ同額増えた形で、増えた現金の使い道は短信に記載がない
- 株主還元は、2025年12月5日決議で683,500株、2026年6月5日決議で139,300株の自己株式を取得(取得額36億74百万円、平均約4,465円/株、当社試算)。2026年6月5日決議で自己株式2,000,000株を消却した(自己株式△54億64百万円、資本剰余金△4億73百万円、利益剰余金△49億90百万円)。期末自己株式数は2,712,124株(前期末3,917,064株)、発行済株式数は36,742,241株(同38,742,241株)。配当は36億29百万円を実施。純資産の増加は、純利益+100億63百万円、その他有価証券評価差額金+25億70百万円、為替換算調整勘定+13億42百万円が中心。配当は2026年10月期が中間55円・期末予想55円の年110円(前期95円)で、配当性向(予想)は約29.2%(当社試算)
- 【要確認】重要な後発事象として、2026年9月4日の取締役会で、高崎事務器株式会社(建設現場向けユニットハウス、オフィス家具、OA機器、測量機、仮設トイレ等のレンタル・販売)の全株式を現金で取得し、その完全子会社の株式会社TJR(ユニットハウス等の運搬・組立・据付・解体)と株式会社近藤リース(イベント・催事会場の企画・設営、テント・音響機器等のレンタル)とあわせて子会社化することを決議し、株式譲渡契約を締結した。企業結合日は2026年9月中(予定)。関東エリアの現場ファシリティ関連サービスに強みがあり、営業ネットワークと顧客基盤を組み合わせて提案力とサービスを拡充する目的。取得価額と業績への影響は短信に記載がない。なお、第1四半期からPORTER UTILITIES関連の2社を清算結了に伴い連結範囲から除外している
- 【要確認】通期予想は2026年6月1日の修正時から変更なし(売上高221,000百万円+3.6%、営業利益20,400百万円+17.4%、経常利益20,700百万円+15.3%、親会社株主に帰属する当期純利益12,900百万円+17.5%、1株当たり376.23円)。第3四半期累計の進捗は売上高73.7%、営業利益75.7%、経常利益76.2%、純利益78.0%。第4四半期に残る営業利益は約49億60百万円で、前期第4四半期(予想の増減率から逆算して約56億円)を約12%下回る計算(当社試算)。後発事象のM&Aを予想に織り込んだかは短信に記載がない
財政状態
総資産
332,053百万円
純資産
164,815百万円
自己資本比率
46.4%
現金及び預金
72,067百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月期 通期予想(変更なし) | 221,000百万円(進捗73.7%)+3.6% | 20,400百万円(進捗75.7%)+17.4% | 20,700百万円(進捗76.2%)+15.3% | 12,900百万円(進捗78.0%)+17.5% |
注目ポイント
売上は+2.6%と小幅だが、営業利益は+31.6%と大きく伸びた。増益の中身は、売上原価が減って売上総利益率が29.8%から32.0%に上がったことである。会社は単価の適正化や資産の効率運用を挙げるが、原価が減った内訳は短信に書かれておらず、減価償却費が減っていること(△5.3%)が背景にある可能性を含め、次の決算や説明資料で確認したい。
貸借対照表では、借入金が約98億円増え、現金及び預金が約110億円増えた。レンタル用資産は約19億円減っており、現金の積み上げと自己株式の取得・消却が目立つ。自己株式の取得は約37億円、200万株(約55億円)の消却も実施し、期末の自己株式数は約271万株になった。配当は年110円予想(前期95円)と増配になる。
後発事象として高崎事務器など3社の子会社化が決議された。ユニットハウスや仮設トイレ、イベント関連にも領域が広がるが、取得価額や業績への寄与は短信に記載がない。通期予想は据え置かれ、第4四半期は前期を下回る営業利益を織り込む計算になるため、予想の保守性とM&Aの影響を合わせて確認したい。